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アメジスト(紫水晶)|その魅力と人気の秘密を徹底解説!

アメジスト(紫水晶)|その魅力と人気の秘密を徹底解説!

アメジストは年齢を問わず、ジュエリーとして人気の高い宝石です。
それはアメジストの紫が上品でしかも透明度が高く、暖色にも寒色にも合わせやすいからかもしれません。

アメジストは、存在感のある指輪やネックレスに加工されることもあれば、一粒の小さなアメジストがあしらわれたピアスとして愛用されることもあります。
いずれにしても、紫という色は宝石として珍しく、それ故に世界中で愛されているのです。

この記事では、魅力的なアメジストについて、さらに詳しくご説明します。

Contents

アメジストの言い伝え

ギリシャ
アメジストはギリシャ神話のアメシストスに由来

アメジストという名前は、古代ギリシャ語のAmethystos(アメシストス)に由来しています。
アメシストスには「酔っていない」という意味があり、古代ギリシャ人は、アメジストの杯で酒を飲むと酔いずらいという迷信を信じていたようです。
このアメジストに関する迷信は、次のようなギリシャ神話から来ています。

ある日、ワインに酔った酒の神ディオニュソス(ローマ名:バッカス)が、残酷な遊びを考えたようです。
最初に出会った人間を、お供のピューマ(虎)の餌にしてしまおうという遊びです。
そのディオニュソスの残酷な遊びに運悪く出会ってしまったのが、月の神アルテミスに仕えるアメジストでした。

ディオニュソスのピューマ(虎)の恐怖に足がすくんだアメジストは、とっさに「助けてください」とアルテミスにお願いをしました。
その願いを聞き届けたアルテミスによって、アメジストはその場で水晶の杯へと変えられてしまいました。

水晶の杯になったアメジストは確かに助かりましたが、杯になったアメジストをみてディオニッソスは自分の行いを後悔し、その水晶の杯に変わったアメシストスにワインを注ぐと、アメシストスは紫に替わりアメジストの杯になったという神話です。

この神話の続きには様々なバリエーションがありますが、アメジストという名前そのものにお酒が関係していることから、アメジストの杯から飲むと中毒から守られる、と信じられていたようです。

さらに「酔わない」という名前から、アメジストは酔いの力を追い払い知性を高めてくれるとか、アメジストを着用する者を頭脳明晰にしてくれると信じ、戦闘やビジネスにおいてアメジストをお守りにする人もいました。

いずれの理由にしても、アメジストはその美しい紫色ゆえに人気の天然石となっています。

アメジストの歴史

アメジストは非常に長い歴史をもつ天然石として有名であり、その歴史は古代エジプト時代にまでさかのぼります。
古代エジプトの遺跡からはアメジストの採掘場所や、アメジストを装飾品に加工していた作業場も見つかっています。

また、紀元前1500年頃に書かれた旧約聖書の中には、ユダヤ人の大祭司が身に着けていた胸掛けにはめ込まれた12の石の一つとして、アメジストの名前が出てきます。
それだけアメジストは、その当時であったとしても高価で気品があり、希少性が高く人気のある宝石として知られていたと思われます。

このように、アメジストは古代より高貴な人や権力者が身に着けてきた宝石です。

それはなぜでしょうか。
それは紫という色が洋の東西を問わず高価で特別な色だったからかもしれません。

さらにアメジストは産地や採掘量が限られていたため、大変希少な宝石とされてきました。
実際アメジストは18世紀頃まで、ダイヤモンドやサファイヤと並んで最も価値のある宝石でした。

ではアメジストが今のように手ごろな価格になったのはなぜでしょうか?
それは、19世紀にブラジルでアメジストの大規模な鉱床が発見されたからです。
ですから現在世界中で流通しているアメジストのほとんどは、ブラジル産となっています。

ちなみに日本でもほんのわずかですがアメジストが見つかることがあります。

紫が世界中で高貴な色だった理由

紫

古代において、染料の原料は植物や昆虫、貝などから得ていました。
例えば、パレスチナでは黄色の染料をアーモンドの葉やウコン、ベニバナなどから得ていたのです。

アメジストの色でもある紫色はなにが原料となったのでしょうか。
紫の染料の原料となったのはアクキガイ科の貝で、その染料は一つの貝から一滴の染料しか採ることができないほど貴重な染料でした。
ですから衣一着分を紫に染めるのには、なんと12,000個の貝が必要だったのです。
そのため紫色は非常に貴重な色となりました。
ですからその当時最先端の豊かな文明都市であったエジプト、ギリシャ、ローマでも、紫を身に着けられことができたのはごく一部の権力者だけだったのです。

このように希少価値をもつ紫色のアメジストは、たとえ結晶として地中から見つかったとしても、高貴で特別な石として特別視されたのです。

日本では、「ムラサキ」という植物の根である紫根(しこん)を紫の原料としていましたが、やはり紫という色は最も高貴な色でした。
そのため、聖徳太子らが制定した冠位十二階の一番高い位の色は紫だったのです。

このように考えると紫色は世界中で、その美しさと希少性ゆえに高貴な色という位置づけにあったのです。

アメジストとはどんな宝石ですか?

アメジスト

アメジストとは日本名では紫水晶と呼ばれています。
ですからアメジストは、紫もしくは紫に近い色をした水晶のことをアメジストといいます。
アメジストは、その「紫水晶」という名前から分かるように、石英グループ(水晶/クォーツ/クリスタル)の中の紫色の変種であり、その水晶の中でも一番価値が高く人気があるとされるのがこのアメジストです。
水晶/クォーツについて詳しい情報はクリスタルとも呼ばる宝石|水晶/クォーツの真実をご覧ください。

前述したように水晶は、石英(二酸化ケイ素)という種類の石のことで、その石英グループの中でも六角柱状の結晶形をもった無色透明な天然石がクォーツ/水晶と呼ばれています。

クォーツ/水晶には天然石が不純物などによって色のついたクォーツ/水晶が生じます。
アメジストはアルミニウムと鉄の不純物の存在のために紫色に発色した水晶です。

アメジストは水晶なので、透明性が高いため光を通す性質があります。
そのため明るいところではより明るい紫色に見えます。
逆に暗いところでは、色が黒っぽく見えます。

アメジストは自然の中でどのように発見されるのでしょうか?
アメジストは、結晶、つまり晶洞(ジオード)の中で発見されます。

噴火により地中から流れ出した溶岩は、内部に空洞を残して固まることがあります。
その空洞に二酸化ケイ素が豊富に含まれた熱水が侵入し、水分が蒸発します。
その後長い年月をかけて、空洞の中に石英が結晶化します。
ここにアルミニウムと鉄が含まれていると、紫色のアメジストの結晶が完成するのです。

アメジストは大きな結晶で見つかることが多いので、様々なサイズの宝石にカットすることができます。

さらにアメジストのモース硬度は7ととても硬く、ガラスのような光沢があることが特徴となっています。

アメジストの秘密を解説!

アメジストの人気の色の秘密を解説

ラベンダーアメジスト
淡い色のアメジストも人気

アメジストは濃い紫色が最も高く評価されています。
一般的に濃い紫色の方が市場価格が高いといっても、淡い色のアメジストに魅力がないわけではありません。
私もそうですが、薄い紫の方が自分の好みであるという人も少なくありません。

薄紫色に近いアメジストは、ラベンダーアメジストと呼ばれています。
アメジストの色がこのように淡い色になるのはどうしてでしょうか?

それは、アメジストの色が紫外線によって褪色することによって生じるのです。
つまりアメジストの結晶が日光(紫外線)に長い間さらされるような状況に置かれると、アメジストに科学変化が起こり、アメジストの色素が失われて淡いラベンダーアメジストになるのです。

溶岩の中で長い年月をかけて育まれたアメジストが、今度は太陽のエネルギーによって淡い色に変化するというのは、大自然の美しさそのものでもあります。
そのため、色が薄いアメジストは比較的リーズナブルな価格で入手することができるとはいえ、人気があります。

アメジストの色を変化させる要因は紫外線以外にもあります。
淡い色のアメジストが人気があるので、時には暗いアメジストの色を明るくさせるために、熱処理が加えられることがあります。
そのような熱処理によって、暗いアメジストの紫色は明るくなります。
ちなみに、紫外線に影響によって褪色したアメジストは、熱を加えたとしても色が濃くなることはありません。

アメジストからシトリン・グリーンアメジストへの変化を解説!

シトリン
シトリン

アメジストの熱処理について前述しましたが、さらに熱を加えると、アメジストに含まれる鉄が酸化して、アメジストは黄色やオレンジへと変化します。

黄色に変わったアメジストはグリーンアメジスト(プラシオライト)、さらに濃いオレンジのようなアメジストはシトリンと呼ばれます。

え、グリーンアメジストやシトリンは人工的に作っている?!と驚かれる方がいると思うので付け加えます。
天然のグリーンアメジストは一部地域では自然の状態で採れます。
シトリンも稀ですが、天然のものがあります。

しかし、市場で出回っているグリーンアメジスト(プラシオライト)やシトリンのほとんどは、アメジストを熱処理して生産されています。
これをどうとらえるかは、人それぞれです。

人の手を加えたものなので人工的と感じる人もいれば、溶岩の中で熱せられてグリーンアメジスト(プラシオライト)やシトリンになるのも、採掘したアメジストを加熱するのも、原理は同じと考える人もいます。

ただ、天然のグリーンアメジスト(プラシオライト)やシトリンは希少なのでかなり高額であることは確かです。

このように、アメジストは自然の中で、または人間の加工によって様々な色彩に変化する、とても珍しい宝石なのです。

アメジストの産地はどこですか?

アメジストは世界中で見つかります。
少量ですが、この日本でも見つかります。

アメジストが最も多く採掘されているのはブラジルで、その他マダガスカル、インド、スリランカ、アフリカなどが有名なアメジストの産地として知られています。

どの宝石にも言えることですが、地中の様々な条件が重なって生成されるアメジストは、同じ産地で採掘されたとしても、透明度や色、不純物の混入など、見た目が様々です。
不純物が多かったり、色むらが多いアメジストは、加工されてシトリンやグリーンアメジストとして出回ります。
その中でも、アフリカのザンビアでは、比較的色が濃くて透明度の高いアメジストが採れることが知られています。

しかし、限りある天然の資源ですので、採りつくすことがないことを願います。
そのためにも、手に入れたアメジストを綺麗に長く楽しみたいものですね。

最後に、アメジストのお手入れと注意点について取り上げます。

アメジストのお手入れ方法とその注意点を解説

日光 日差し
日常生活の紫外線は問題ない

アメジストの色のところで説明しましたが、アメジストは紫外線を長時間浴びることによって色が褪せることが知られています。
紫外線によって化学変化が起こり、褪色してしまうのです。

そう聞くと、持っているアメジストを身に着けるのを躊躇してしまうかもしれません。
でも安心してください。アクセサリーとしてアメジストを身につけていて陽に当たる程度では、さほど褪色することはありません。

アメジストを長く楽しむための方法はあります。
それほど神経質になることはありませんが、保管場所は宝石箱など日が当たらない暗いところにしまうようにしてください。
いつも日が当たるところに飾って置いたりすると、長い間には色が薄くなってしまいます。

またアメジストは硬度7ととても硬い石なので、破損することはあまりありませんが、やはり大切に扱う必要があります。
またアメジストを宝石箱などにしまう時には、アメジストより硬度が低い天然石を傷つけることがないように、一つずつ袋に入れるなどして、丁寧に保管しましょう。
モース硬度が高いアメジストが、モース硬度が低い天然石を傷つけてしまう可能性があるためです。

愛用しているアメジストの汚れが気になる時にはどうしたらよいでしょうか。
石鹸を溶かしたぬるま湯でアメジストを優しく洗い、乾いた布でしっかり水分をとりましょう。

ある人はアメジストを綺麗にするために、超音波洗浄機を使う人もいます。
しかしそれはあまりお勧めしません。
なぜなら、アメジストの内部に目では確認できないくらい小さなひび割れが合った場合、超音波の振動によって割れる危険があるからです。

是非大切扱って、美しいアメジストを長くお楽しみください。

まとめ

アメジストは濃い紫からラベンダーのような淡い色まで選べる、親しみやすい宝石です。

Great Artisan(グレート アーティザン)では、アメジストをあしらったピアスやペンダントトップを扱っています。
是非ご覧ください。

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